山陰観光列車『あめつち』乗車記
先日山陰めぐりパスで山陰旅行をした際、観光列車"あめつち"に乗車する機会があったのでそのときの記録を書いていこうと思います。
目次
観光列車あめつちについて
今回紹介する「あめつち」は、JR山陰本線鳥取駅〜出雲市駅間を走行する観光列車です。
※JRおでかけネットより
行きは9:00に鳥取駅を出発して、出雲市駅には12:47に到着し、帰りは13:41に出雲市駅を出発して17:36に鳥取駅に到着するようです。
特急並みの停車駅でありながら特急ではない列車ですが、150kmちょっとの距離を4時間弱かけて移動します。さすが観光列車だ……。
コンセプトや運転日などの詳細は上のページが参考になります(安定のなげやり)
この列車は2018年山陰ディスティネーションキャンペーン(山陰DC)の一環で運行されている列車で、全車両がグリーン車指定席となっています(青春18きっぷでは乗れません)
私が山陰を訪れる際に利用した「山陰めぐりパス」も同キャンペーンに合わせて発売されました。
乗車前の心境
乗車記とは直接は関係ないですがちょっと述べさせてください。
実は、当初の計画ではこの列車に乗る予定はありませんでした。
しかしこの日、山陰では大雨が降った影響で特急列車が運休したため、計画を変更してこの「あめつち」に乗ることにしました。
じゃあなぜ乗るつもりがなかったか。それは、グリーン券を買うのを出し渋ったからです。
情けない話ですが、当時私は山陰〜関西〜四国を10日ほどかけて巡る一人旅の最中で、少しでも出費を抑えたかったという切実な思いがありました(最近載せた山陰・四国関連の記事はその一連の旅行のものです)
また、私は山陰めぐりパスは4日間普通・特急列車に乗り放題というバケモンのような切符を所持していたこともあり、グリーン車とはいえ普通列車に課金することに対して迷いがありました(鳥取〜出雲市のグリーン券は1950円←同区間の自由席特急料金より高い)
そんな中で天候の影響で特急が止まり、その後の予定を考え直した際に、「米子〜出雲市の980円ならまぁ良いか」という結論に至り、乗車を決意したのでした──
スタート:米子駅
というわけで米子駅からあめつちに乗車します。
↑乗車位置にはこのような印がありました(写真は乗車する前日に玉造温泉駅で撮ったものです)
定刻通り、2番線にあめつちが入線しました。
一見するとただのラッピング車両ですが、この塗装は山陰の美しい空や海を表現したものとなっているそうです。
また、列車に詳しい方ならお分かりかと思いますが、この車両はキハ47系という普通列車を改造した列車です。
もっとも、この車両はグリーン車なのでキハ47ではなくキロ47ですが……。
先述のとおり、この車両はグリーン車なので側面にクローバーのマークがあります。
米子駅では駅員さんが列車を背景に記念撮影をしており、私も撮ってもらいました。
とても感じの良い駅員さんでちょっと嬉しくなりました。
乗車&座席紹介
乗車して指定された座席へ移動しました。
見た目こそ普通列車感丸出しですが、内装は全くの別物でした。
温かみのある照明と座席に対して群青色の壁が引き締まった印象を受け、車内はあめつちのテーマソングが流れていました。
観光列車慣れしてないというのが大きいかもしれませんが、特別感はありました。
ただのラッピング車両ではないです。
当日にもかかわらずわずかに空席があり(△表記でした)、みどりの券売機で購入できました。私は1号車1番A席という響きの良さげな番号でした。
座席はこんな感じ(1A席側から撮ってます)。改造されているだけあってキレイな座席です。
ただしリクライニングはないため、鳥取〜出雲市まで座りっぱなしだと疲れるかなぁといった感じです(途中米子や松江などで降りられるので座りっぱなしってことはないとは思いますが)
先ほど「1号車1番A席なんて良さげな番号だなぁ」、と言いましたが、この座席は正直言ってハズレでした!w(まぁ当日空いてるような席だししゃーない)
※JRおでかけネットより
上記の座席表を見てもらえると「あっ…(察し)」となる方も多いかもしれません。左下の座席ですね。
一言で言うと、進行方向と逆向きで山側の席、なんですね……w
鳥取〜米子であれば中国地方最高峰の大山を見れたと思うけど米子〜出雲市は……w
幸い私は山陰めぐりパスで通ったばかりだったため、車内の雰囲気を楽しむのに専念できて特に不満はなかったですが、初めての方は注意が必要かなぁと思いました。
とはいえみどりの券売機だとノビノビ座席などと同様に、座席を選べないのでご注意ください。e5489(JR西日本のネット予約サービス)だとランダムではなく座席指定できるようなのでそっちの方がいいかも。
また、もう一つ幸いな点として自分の前に誰も座らなかったことが挙げられますが、同じく山側の席で知らないおじさん同士が気まずそうに座ってた姿が今でも忘れられない……(汗)
海側の席は常に景色が眺められるのでとても良さげだと思います。
4人で乗って談笑しながら車窓を眺めるってのも良さそうですね〜〜。
そういえば、座席の後頭部が触れる部分(名前が分からないw)にはあめつちのロゴがありました。
確か隠岐の黒松を使ったプレート(違ってたらスミマセン)
車内には乗車記念のプレートがありました。
日付があると特別感あって良いですよね。
1号車にある洗面台。
特急スーパーはくとでもこんな感じの洗面台見た気がするな??(確か)
はくとのときも思ったけど、窯を洗面台にするってなかなか凄いなぁと思いました。
車内でもらったものと今回使用したきっぷたち。
車掌さんの粋な計らいで、あめつちの乗車印を山陰めぐりパスとノートにも押してもらいました。
同じく車掌さんから。
これ何ぞ?!と思ったらおみくじでした。
出雲大社は縁結びにゆかりのある神社なのでそれに因んだのでしょう。
松江駅
そんなこんなで松江駅に到着しました。
駅員さんたちが横断幕を持って歓迎してくれました。
歓迎ムードがあると乗ってて自然と気分も良くなります。
松江駅でも記念にパシャリ。
よく見るとテーブルもなかなかオシャレなんだよね……。
松江〜出雲市
松江まで来たし出雲市まではもうすぐなのかと思っていましたが、ここから1時間ほど乗車していました。さすがは観光列車。
というのも途中で減速運転を行ったり、反対列車との待ち合わせでしばらく停車していた関係で思いのほかゆっくりだったというのが挙げられます。
松江駅のお隣、乃木駅を過ぎてしばらくすると、湖のそばを走行します。
※写真は別の列車から撮ったものです。
特急やくもなどが宍道湖畔を通る際にも案内の放送が入りますが、あめつちでは観光列車というだけあってより詳しく案内がなされていました。
また、景色を楽しめるように減速運転していました。
個人的に宍道湖辺りの車窓って結構好きなんですよね。
穏やかな湖と遠くに見える建物群が見ていて飽きないです。
これは余談ですが、松岡修造さんがマイナス10℃の中、しじみがトゥルルと頑張っていたところがこの宍道湖です。笑
しばらくして列車交換の待ち合わせの際、アテンダントの方に「アンケートにご協力いただけますか?」と言われたので快く引き受けることにしました。
「どこから来たの?」「どこに行くの(行ったの)?」「この観光列車どう?」などの質問でしたが、割と正直に結構しっかり書きました。
せっかくなので「ご意見・ご感想をお聞かせください」の欄に書いたことの一部を箇条書きにてご紹介します。(部分的に改変しています)
- 車内の感想(上に書いたような感じ)
- 列車交換の時間・回数が多く感じましたが、その間に周辺の観光案内をして飽きさせない配慮が良かったです
- 車掌やアテンダント、駅員の方々が丁寧で親切に話してくださったので大変好印象でした
- みどりの券売機でも座席が選べたらよかったです(クレームじゃなくて選べたら良かったのになぁ、って感じ)
ちなみに観光案内は湖や温泉、遺跡や出雲地域の歴史などを話してくださいました。
また、日本神話の聖地というだけあって随所に神話に関連する話が出てきたため、事前に「因幡の白うさぎ」など頭に入れておくとより楽しめるかもしれません。
提出したらクリアファイルをもらいました。
まさかもらえるとは思ってなかったのでビックリ。
列車の先頭からはこんな景色が見えました。
"出雲の大川"と呼ばれた斐伊川(ひいかわ)を渡るといよいよ終点の出雲市です。
一見すると何てことはない川ですが、日本神話に登場するヤマタノオロチと大きく関係しているそうです。ここでも減速運転がされました。
終点:出雲市駅
というわけで終点の出雲市駅に到着しました!!
そういえばこの区間(米子〜出雲市)、雨で特急は動いてなかったのにこの列車は通常通り動いてて不思議でした。
あめつちのロゴマーク。カクカクしてはる。
駅の色んなところにあめつちの看板がありました。
あのクソ高い瑞風より目立っておられる……さすがはディスティネーションキャンペーン。
おわりに
今回初めて観光列車「あめつち」に乗車しましたが、観光列車に乗り慣れていない自分には楽しめました。
「リクライニングがない」といった、全てを褒め称えた乗車記ではなかったですが、個人の率直な気持ちなので「ほーん」程度に見てもらえたらと思います。(座席の位置)
特急列車並みの値段はしますが、例えば移動中も楽しみたいという方にはオススメできると思います。
言うまでもなく速達性は皆無なので
初めて山陰に行くという方は特に乗ってみると楽しめるかなと思います。
この列車は普通列車グリーン車扱いですが、どう考えても普通ではないので特別列車グリーン車と考えたら安く感じるのでは?と思いました。
というわけで今回の旅行記はここまでです。
ご覧いただきありがとうございました!!
他にも旅行記を書いてるので合わせてどうぞ↓